減価償却が怖い人へ|10万・20万・30万ラインと実務の考え方【2026】

経費・帳簿・運用テンプレ

機材を買うフリーランスほど、確定申告で止まるのが減価償却です。
「10万・20万・30万」って聞いたことはあるけど、結局どうすればいいのか分からない——。

この記事の結論(最短)
✅ 迷うのは「いくら以上」より、“何を買ったか(資産かどうか)”“使い方(事業割合)”
✅ 実務はこの順番:①資産か?→②金額帯→③耐用年数→④償却方法→⑤記録
✅ 会計ソフトは「減価償却の台帳」を持つと、翌年以降が一気にラクになる

仕訳が怖い人の入口:仕訳の最低限(例つき)
月1で回して直前パニックを消す:月1ルーティン
会計ソフト導入済みの人(初期設定):初期設定チェックリスト

1. 減価償却の正体:高い買い物を“数年に分けて経費化”するルール

減価償却の正体

減価償却を一言でいうと、こうです。

減価償却=パソコンやカメラのような「長く使うもの」を、買った年に全部経費にせず、使う年数に分けて経費にする仕組み

「なぜそんな面倒なことを?」と思いますが、理由は公平性。
1回買って数年稼ぐ道具を、買った年だけに寄せると、年ごとの利益が歪みます。

2. まずここで分岐:それは“資産”か?(消耗品と資産の境界)

資産かどうかの分岐

金額ライン以前に大事なのが「資産かどうか」。
ざっくり言うと、長く使う道具=資産の可能性が高いです。

  • 資産っぽい:PC、タブレット、カメラ、レンズ、机・椅子、機材、ソフト(長期利用のもの)
  • 消耗品っぽい:文具、ケーブル、電池、短期で使い切るもの

ただし、ここは「実態」で判断します。
迷う場合は、購入時に用途メモを残しておくと後で強いです(例:撮影案件用、編集用など)。

経費の線引き全体:経費OK/NG 50例【2026】

3. 10万・20万・30万ライン:実務で迷わない“最短チャート”

10万20万30万ライン

ここからが本題。よく聞く「10万・20万・30万」ですが、実務ではこう覚えると迷いが激減します。

最短チャート(イメージ)
① それは資産?(長く使う?)
→ NO:通常の経費(消耗品等)
→ YES:②金額帯へ
② 10万未満? → 原則:消耗品費などで経費化(運用ルールを固定)
③ 10万以上〜(一定額) → 減価償却の対象になりやすい(特例の検討)
④ 例外(少額資産の特例等)を使うか判断

※厳密な判定や制度の適用可否は状況で変わるため、最終判断は税理士/公式情報の確認が安全です。
この記事では、フリーランスが実務で詰まる「判断の枠」と「運用」を中心に解説します。

4. よくある機材別:買ったときに迷うポイント(PC/カメラ/ソフト/家具)

機材別の迷いポイント

フリーランスが迷うのは、だいたいこの4カテゴリです。

(1)PC・タブレット

  • 編集/開発など主力なら資産になりやすい
  • 周辺機器(マウス、ケーブル等)は消耗品扱いが多いが、セットで高額になると管理が必要
  • 私用混在があるなら事業割合の根拠を残す

(2)カメラ・レンズ

  • 案件に直結しやすく、資産扱いになりやすい
  • レンズや周辺機材が複数ある場合は「何をいつ買ったか」が散りやすい→台帳が効く

(3)ソフトウェア・サブスク

  • 月額サブスクは基本的に毎月の経費として処理しやすい
  • 買い切り・複数年ライセンスは資産扱いの検討が必要になることがある

(4)家具・備品(机・椅子など)

  • 長く使う=資産の可能性
  • 自宅兼事務所なら按分(事業割合)の根拠が重要

自宅家賃・光熱費・通信費の按分:按分の根拠と計算例
混在精算:混在の精算ルール

5. 実務で詰まない手順:①資産登録→②事業割合→③償却→④証憑→⑤翌年に引き継ぐ

実務で詰まない手順

減価償却が怖いのは、知識より「記録の仕方」が分からないから。
実務は、次の順で処理すると事故りません。

  1. 資産として登録(名称・購入日・金額)
  2. 事業割合を決め、根拠メモを残す(私用混在の人)
  3. 耐用年数償却方法を決める(ソフトが案内することが多い)
  4. 証憑を紐付ける(レシート/PDF)
  5. 翌年に引き継がれる状態にする(台帳が残る)

ここがポイント
減価償却は「今年だけ」ではなく、翌年以降も続く処理です。
だから一番大事なのは、台帳(資産一覧)が整っていること

6. よくある事故パターン:直前に気づくと地獄になる5つ

減価償却の事故パターン

  1. 買った年に全部経費にしていた(後で修正が必要になることがある)
  2. 何をいつ買ったか分からない(資産一覧がない)
  3. 私用混在の割合が説明できない(根拠メモがない)
  4. 証憑が見つからない(電子領収書が散っている)
  5. 翌年の償却を忘れる(台帳が残っていない)

年末〜直前の総点検:年末〜申告直前チェックリスト【2026】
電帳法の最低要件(電子領収書):電子帳簿保存法:最低要件まとめ【2026】

7. 会計ソフトでラクにする:減価償却を“仕組み”にする機能×制約×対象

会計ソフトで減価償却を仕組み化

減価償却は、スプレッドシートでもできます。
でも、フリーランスにとっては「翌年の引き継ぎ」が地味に重い。ここで会計ソフトが効きます。

欲しい機能 何がラク? 制約(注意点) 対象(向く人)
固定資産台帳(管理) 翌年に自動で引き継がれ、忘れない 登録が雑だとゴミ台帳になる(初年度だけ丁寧に) 機材が多い/複数年で償却が続く人
証憑紐付け 購入根拠が探さず出る 入口が固定されないと散る 電子領収書が多い人
自動連携 購入明細が残り、金額・日付の転記ミスが減る 私用まで連携すると分類地獄 手入力で止まる人

証憑管理で選ぶ:証憑管理がラクな会計ソフト比較【2026】
連携で選ぶ:自動連携が強い会計ソフト比較【2026】
おすすめ(結論):会計ソフトおすすめ3選【2026】

8. 迷ったらこの運用:購入時に“5点メモ”を残せば、来年の自分が助かる

購入時の5点メモ

減価償却は、購入時のメモがあるだけで強いです。おすすめはこの5点

  • 購入日(いつ)
  • 品目(何)
  • 金額(いくら)
  • 用途(何のため)
  • 事業割合(どれくらい事業で使うか)

これを会計ソフトのメモ欄や証憑のコメントに残せば、直前の迷いが激減します。

まとめ:減価償却は“台帳が9割”
・金額ラインの暗記より「資産かどうか」「事業割合」「記録」が重要
・実務は①資産登録→②事業割合→③償却→④証憑→⑤翌年引継ぎの順でやる
・会計ソフトの固定資産台帳があると、翌年以降が一気にラクになる
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